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虚空蔵菩薩

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仏教の百科——❀虚空蔵菩薩❀

虚空蔵菩薩はとくに知恵の仏様として信仰を集めてきました。そのご利益と言えば「福徳智能を授け、開運出世、無病延命、諸願成就の願いを叶い賜う」現代的な簡単な言葉でいうと、頭脳明晰、記憶力増進、成績向上、技芸上達のご利益です。また厄除け、方位除け、開運などの願いを叶えるといわれています。

では、なぜそんなご利益があるといわれているのでしょうか?

空海さまはある修行をして、絶大な記憶力を得たと伝えられています。
その修行とは虚空蔵菩薩の真言を、一日一万回×100日=百万回お唱えし心身を鍛える「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」です。
達成した者には無限の記憶力が与えられ、見聞きしたことは忘れなくなるとされます。

もちろん、1日に1万回を100日繰り返すということは、誰にでもできるものではありませんが、真言宗の開祖である空海さまは厳しい修法を耐え抜き、虚空蔵求聞持法を成満しました。

このような空海さまと同じ功徳を得ようと、幼少年期から青年期へと移る人生の転換期に、知恵と福徳を授かり、学問に長じるため、虚空蔵菩薩を本尊とする寺院に十三歳になった男女が参詣する「十三詣り」が始まったのです。

虚空蔵菩薩の特徴「剣」は知力の証


虚空蔵菩薩は右手に宝剣(ほうけん)を持っていますが、剣先は丸みを帯びた形をしています。これは「知恵」を象徴とした剣であるとされています。

「三人寄れば文殊の知恵」でおなじみの文殊菩薩も知恵の象徴である剣を持っています。意外かも知れませんが、剣を持つ仏像は「知恵」との関わりが深い仏と言えます。

左手には如意宝珠(にょいほうしゅ)を持ちます。また、宝珠が乗った蓮華を持っている場合もあります。宝珠は何でも願いをかなえてくれる宝物で、虚空蔵菩薩が人々を助ける道具です。

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