岸朝子 名人・名言集

岸朝子(きし あさこ)
旧姓は宮城(みやぎ)
生誕:1923年11月22日
出身:東京都
料理記者、食生活ジャーナリスト
死去:2015年9月22日
父親は宮城新昌(みやぎ しんしょう)。沖縄県国頭郡大宜味村(くにがみぐん おおぎみそん)の出身で、日米でカキの養殖法の開発と普及に貢献し「日本の牡蛎王」の異名をとった人物。母親の“つる”は大宜味尋常小学校校長で教育者だった親泊朝擢(おやどまり ちょうたく)の娘で、琉球王国第二尚氏3代尚真王の長男(廃嫡)・尚維衡(しょう いこう、浦添王子朝満)の後裔にあたる。母つる、の弟親泊朝省(陸士37期・騎兵科首席)は、終戦時大本営報道部員で陸軍大佐、終戦直後の昭和20年9月3日(一説には前日2日)に妻と長女(10歳)・長男(5歳)と共に一家で自決。
弟は昭和期に競馬評論家として活躍し、高額配当狙いの馬券攻略法として知られる『AB-XY方式』の発案者としてその名を残す宮城昌康。その弟の妻は大映所属であった映画女優・若松和子。宮城と若松の間に生まれた娘(岸の姪)の夫が中央競馬の調教師である中舘英二である。
姉はウィンナーに切り込みを入れて食べやすくすることを日本で最初に考案して世の中に広め、また、たこさんウィンナーの考案者として有名な料理研究家の尚道子。尚道子の夫尚明は、日本住宅公団元副総裁でダイニングキッチンの考案者として知られる。
夫である岸秋正は、陸軍士官学校出身の職業軍人。長女の西澤直子は、農芸化学者で東京大学名誉教授。
受賞・栄典
1997年 食生活文化金賞(財団法人日本食生活文化財団)
1998年 文化功労賞(沖縄県大宜味村)
1999年 バッカス賞(オーストリア政府)
2006年 農事功労章シュヴァリエ(フランス政府)
主な著書
『金沢・能登の食遺産』(KADOKAWA)
『岸朝子のおいしゅうございますね。』(
『だから人生って面白い』(大和書房)
『岸朝子の太鼓判』(平凡社)
『東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)
『【続】東京五つ星の手みやげ』(東京書籍)
『全国 五つ星の手みやげ』東京書籍、2008年8月。
『全国 五つ星の手みやげ』(新訂版)東京書籍、2014年6月9日。
私はゴタゴタしているのはあまり好きではありません。お行儀は悪いけれど、“勝手にしやがれ”でございます(笑)
★ “食は生命”という言葉は、もう私にとってはおまじないのようなものです。生命なのですから、何でも感謝して頂かなくちゃね
★ たばこも好きですが周りがうるそうございますので……コーヒーを飲む時に一服するくらいで、なかなか吸わせてもらえません
★ 何を食べてもよいのです。ただ、食べ過ぎず、体に必要なものをきちんととることが大切です
★ 料理を作れない栄養士、多いですよ。カロリー計算ばっかりしてて、でもそれはつじつま合わせだから、すごくまずい献立だったりするの
★ 食卓っていうのは、会話も大事だし、「同じ釜の飯を食う」という言葉が昔からあるけれど、そういうことで人と人とは通じ合うものだと思うの
★ 動物性のたんぱく質源を摂り過ぎるとイラつくのよ
★ 栄養学というのは、病人食とか病態栄養とか、妊産婦の栄養とか、要するに科学的なこと、いかに食べ物が体に大事かということを学ぶわけですが、あくまでも実践あっての学問なんですね
★ それまでは料理人は軽く見られていましたけど、「料理の鉄人」のおかげで、料理人の志望者が増えたそうです
★ お酒を飲み始めたのは、主婦の友社にいた頃からです。おじさんたちに負けてはいられないと頑張って、お酒の席では一升瓶の半分ぐらい飲んでいました
★ (「おいしゅうございます」は)昔は普通に使われている言葉だったのですよ
★ イライラしていると、心だけを問題にしがちです。でも、そういうときにご飯をきちんと食べてほしいです
★ 高校生のみなさんも「あれがいい。これがいい」じゃなく、まず出てきたものを食べてみる。おいしかったら実際につくってみる。つくると楽しいものです
★ PTAに呼ばれて講演することもありますが、私が言っているのは、「一品でもいいから手作りのものを食べさせてください」ということです
★ 以前、新聞のコラムにサッカーのトルシエ元日本代表監督が「日本人選手の体力のなさは、コンビニ弁当に由来している」といったことを書かれていて、それだけにちゃんと警告を発する人がいるのはうれしいですね
★ もちろん先天性の糖尿病もありますが、それにしても糖尿病が低年齢化しているのは、やはり食習慣が影響しているのは否定できないでしょう
★ おいしく感じるものは、たいてい脂肪や砂糖が多く、カロリーオーバーです。また交通の便がよくなって歩くことも少ないのでエネルギーを消費することもない。生活習慣病になる可能性が高い時代です
★ 本当に日本人の食生活は取り返しがつかないくらいに変わりました。戦後しばらくは「胃袋で食べる時代」でしたS
★ 知らなかった料理に出会うことがおもしろかったし、栄養と健康の関係の理解を深めたことが一生の宝になっていると思います
★ 書籍の編集でいまでも覚えているのは、『日本料理の基礎』『西洋料理の基礎』『中国料理の基礎』という本をつくったことです
★ 若い頃から料理は好きで、食べることが好きでしたから向いていたのかもしれません
★ (最後の晩餐)やっぱりご飯ね
★ (遺言)お通夜とお葬式はにぎやかに。おいしいお料理を
★ 綾先生は満98歳で亡くなる直前までお元気でしたので、私もそれにあやかって、「おいしく食べて健康長寿」をモットーに、98歳まで食の大切さを伝え続けていきたいと思います
★ 歯を食いしばって一所懸命頑張ってきたから、いろいろな人に会うことができたし、仕事のやりがいにも気づくことができたのだと思います
★ 辛いことも数多くありました。そんな時いつも私を励ましてくれたのが、「嫌なことは夜、布団の中で考えないこと。太陽の下で考えれば何事も明るくなる」という(香川)綾先生の言葉でした
★ 家庭のほうは夫に頼ることが多くて、申し訳ないような気持ちは常にありましたね
★ 体重がガタッと落ちるくらい大変だったけど、この時期に料理記事の何たるかを学ぶことができましたし、一流の先生方や優れた調理人との交流によって料理記者として育ててもらうことができました
★ 仕事も次から次へと本当に忙しくて、料理学校で撮影の仕事がある日なんか、授業が終わってから始めるものだからほぼ徹夜でしたね。それが何日か続くともうフラフラ
★ 会社の決まり事として社員全員に日記を書かせていて、これが大いに役に立ったんです
★ たまたま主婦の友社の募集広告を妹が見つけてくれたんですよ。「料理の好きな家庭婦人を求む」とあって、子供がいてもいいという条件だったので、これならと思って試験を受けに行きました
★ おいしゅうございます
★ 命は食にあり
名人・名言集
沖縄出身の両親のもと、東京で生まれる。父親はアメリカで苦学して養殖業を学び、カナダと日本で牡蠣養殖を成功させた人物。女子栄養学園卒の友人がつくったロールサンドの味に魅了され料理に興味を持つ。永田町小学校(現・麹町小学校)から東京高等師範学校附属小学校(現・筑波大学附属小学校)に転入し卒業。東京府立第三高等女学校(現・東京都立駒場高等学校)を経て、1942年、女子栄養学園(現・女子栄養大学)卒業。東大農学部勤務後、21歳で軍人と見合い結婚し、1947年から夫婦で千葉県でカキの養殖業を手がける。その後、出産を経て、1953年に養殖業を廃業して東京へ移住。1955年に主婦の友社の「料理の好きな家庭婦人を求む」の求人に応募して入社し、4人の子どもを育てながら料理記者としてスタートを切る。
その後は女子栄養大学出版部に移り、1968年から雑誌『栄養と料理』の編集長を10年間務める。この時期、食べ歩きや食器の楽しみ方など新しい企画を次々と出し『栄養と料理』の販売部数を倍にした。
料理記者時代に師である香川綾が考案した料理のレシピで使われる大さじ・小さじなどの分量の規定の普及に貢献した。
1979年に女性ばかりの編集プロダクション「株式会社エディターズ」を設立して独立。料理・栄養に関する雑誌・書籍を多数出版。
1993年から6年間、フジテレビ系列の人気番組『料理の鉄人』に審査員としてレギュラー出演。「料理記者歴40年」が肩書きだった。試食の際の「おいしゅうございます」という表現がブームとなる。同じく『料理の鉄人』でレギュラー審査員を務めた食物史家の平野雅章とは、主婦の友社時代の同僚である。
趣味は読書、音楽鑑賞、旅行。喫煙者。
座右の銘「食は命なり」
2015年9月22日、東京都千代田区の病院にて、心不全のため死去。
最後の食事は白いご飯、みそ汁、のりの佃煮(鳴門千鳥本舗の淡路島生のり佃煮)。
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