溝口健二 名人・名言集
溝口健二(みぞぐち けんじ)
生誕:1898年5月16日
出身:東京都
映画監督
女性映画の巨匠と呼ばれていた
国内外の映画人に多大な影響を与えた。
代表作:『祇園の姉妹』『西鶴一代女』『雨月物語』
死去:1956年8月24日
日本映画を代表する監督のひとりで、1920年代から1950年代にわたるキャリアの中で、『祇園の姉妹』(1936年)、『残菊物語』(1939年)、『西鶴一代女』(1952年)、『雨月物語』(1953年)、『山椒大夫』(1954年)など約90本の作品を監督した。ワンシーン・ワンショットや移動撮影を用いた映像表現と完全主義的な演出で、社会や男性の犠牲となる女性の姿をリアルに描いたことで知られている。小津安二郎や黒澤明とともに国際的にも高い評価を受けており、1950年代にはヴェネツィア国際映画祭で作品が3年連続で受賞し、フランスのヌーヴェルヴァーグの監督などにも影響を与えた。
溝口の最も特徴的な撮影手法は、ショットを割らずにカメラを長回しすることで、現実の時間をそのまま捉えるワンシーン・ワンショットの撮影と、クローズアップを極力排してロングショット(遠景ショット)やフルショット(全身ショット)を多用したことである。溝口がこの手法を採用したのは、ショットを割ることで演技の流れが中断されるのを嫌い、またクローズアップやカットバックなどの技法を使うことで「ごまかし」が利き、完全な演技を求めることができなくなると考えたためである。溝口が初めてワンシーン・ワンショットを採用したのは『唐人お吉』であり、『残菊物語』でひとつの様式として完成した。『残菊物語』では主人公の男と女が夜の堀端を歩きながら話をするシーンで、ずっと歩きながら話をする2人の姿を、路面より低い堀の中から見上げるような角度でカメラを構え、5分以上の長回しによるワンシーン・ワンショットの移動撮影を行っている。流れるように巧みな移動撮影も、溝口の特徴的な撮影手法である。とくにクレーンを使用した移動撮影を好み、クレーンを必要としない撮影の時でもわざわざクレーンを使うことがあった。
今日、日本の映画が技術的には相当発達しているにも関わらず、ヨーロッパで作られる映画と比較する時、日蔭の花の如くおびただしく生彩を欠き、内容空疎な感じを人に与えるのは、その創作過程に於ける、演出家の日常的な生活態度の反映だとみるより他に仕方がない
★ 映画監督である前に私は演出をするんです。演出してから監督するんです。演出というのはつまり、役者とか、美術、照明とか動かすことですね。監督は対外的なことですね。僕はシナリオに名前を載せない。監督がなぜ監督かというと、シナリオも含めてすべてを監督しているからなんです
★ 「ハッとする」と書くとハッとした顔をするんです、役者が。人間がただハッとするわけがない。なぜハッとするのか。悲しいのか、恐ろしい中に喜びがまじっているのか。全部裏表があってそのバランスが崩れるところに演技の血や艶というものがあるんです
★ 雨も要らない、雪も要らない。何も要りません。雪や雨が降ったり曇ったり晴れたりするのは丸ごと描いた人間の心の中です。心の中に雨が降る。心の中が晴れるんだ。ひとつの部屋の中だけで人間の心は書けるんですよ
★ ダメだね。君が溝口をダメにするんです。溝口をダメにするのは君です
★ (田中)絹代のアタマでは監督できません
★ この人たちは賊です!日本映画を滅ぼす賊です
★ あなたは脳梅毒です!医者で診てもらいなさい
★ 三人が僕を負かします!どうしてくれるのですか
★ 貴様なんかに西鶴がわかってたまるか
★ 子供を産んだ経験がないから芝居がダメだっ
★ 検閲官なんてもんはガキだね
★ 女がプロダクションを作るとはけしからん
★ 演出家は何でも知っていなければならない
★ やはり芸というものは大変なもので、ひっぱったかれなければ出やしない
★ 電柱が邪魔だ!切れ!
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