icon天沢聖司 格言集

由来:天沢聖司 格言集
天沢聖司  格言集
天沢聖司 格言集
スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション映画
耳をすませば(みみをすませば
キャラクター名:天沢聖司(あまさわ せいじ)
英題:Whisper of the Heart
1980年代末以降のスタジオジブリ作品の作画で支えてきた近藤喜文氏にとっては本作が最初の長編映画監督の作品となったが、その後の1998年に病死
作者:柊あおい
監督:近藤喜文
公開日:1995年7月15日
上映時間:111分

耳をすませば

読書が大好きな中学1年生の少女月島雫。雫は図書貸し出しカードに天沢聖司という名がたびたびあることに気が付き、顔も知らない彼への思いを巡らす。そんなある日、電車の車内で出会った猫に導かれ、地球屋という不思議な店に迷い込む。

耳をすませば 幸せな時間

中学生最後の夏休み。「受験生」という立場を持てあまし気味の雫はちょっと憂鬱。そんなとき、空から降ってきた不思議な羽を拾う。その本体である翼について調べるうちに「猫の図書館」に行き着く。

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雫、大好きだ!

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★ 俺、きっと一人前のバイオリン作りになるから、そしたら…

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★ 俺…今すぐってわけにはいかないけど俺と結婚してくれないか

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★ 俺、何も応援しなかったから自分のことばっかり考えてて

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★ これを雫に見せたかったんだ

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★ ここ俺のヒミツの場所なんだ

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★ お前を乗せて坂道のぼるって決めたんだ

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★ 見ると聞くとは大違いさ、でも俺はやるよ

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★ 雫に早く会いたくてさ、何度も心の中で呼んだんだ。“雫!”って。そしたらさあ本当に雫が顔 出すんだもん。すごいよ俺達

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★ それじゃ寒いぞ、さぁ乗った

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★ 奇跡だ、本当に会えた

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★ いいよ、雫が終わるまでここで待ってる

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★ 会えてよかった、明日行く

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★ イタリアへ行ったら、お前のあの歌 歌ってがんばるからな

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★ 俺、お前より先に図書カードに名前書くため、ずいぶん本 読んだんだからな

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★ 俺、図書カードで、ずーっと前から雫に気がついていたんだ。図書館で何度もすれ違ったの知らないだろう。となりの席に座ったこともあるんだぞ

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★ 俺、そういうの好きじゃないよ。逃げ道作っとくみたいで。でもチャンスだから行ってくる

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★ じいちゃんの友達が紹介してくれた。アトリエで2ヶ月見習いをやるんだよ

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★ 悪い、一番先に雫に教えたかったんだ

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★ 行けることになったんだイタリアへ

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★ お前さ、詩の才能あるよ

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★ 俺だってまだ行けるって決まっちゃいないんだぜ。毎日親とケンカだもん。行けたとしても本当に才能があるかどうかやってみないと分からないもんな

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★ 俺くらいの奴はたくさんいるよ。それより俺さ、バイオリン作りになりたいんだ

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★ また来いよ、じいちゃん達喜ぶから

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★ お前なあ、本の読み過ぎだよ

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★ よーし、そのかわりお前歌えよ

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★ そのくらいのもの誰でも作れるよ

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★ お前なあ、よくそういう恥ずかしいこと、平気で言えるよな

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★ まさか、ここでバイオリン作りの教室もやってるからさ

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★ バイオリンは300年前に形が完成してるんだ。あとは職人の腕で音の良し悪しが決まるんだよ

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★ 何か思い出があるみたいなんだ。言わないけどね。好きなだけ見てていいよ、俺、下にいるから

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★ 男爵はなくならないよ、おじいちゃんの宝物だもん

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★ エンゲルスツイマー。天使の部屋っていうんだ。布張りの時に職人が偶然つけた傷でできるんだって

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★ ここへ来てネコの眼の中を見てみな、早くしろよ、光がなくなるぜ

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★ 3年がかりでさ、月島が弁当忘れた日にできたんだよ

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★ この瞬間が一番キレイに見えるんだよ

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★ ああ、あのネコの人形か、見る?来いよ

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★ ピンピンしてるよ。この店変な店だから開いてる方が少ないんだ

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★ ムーンがお前と?全然似てないよ、あいつはもう半分化け猫だよ

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★ あいつを引き留めるのは無理だよ。他の家でお玉って呼ばれてるのを見たことあるんだ

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★ ああ、満月みたいだろ。だからムーンって俺は呼んでるけどね

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★ 月島、月島雫!これ お前のだろう?

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★ お前さ、コンクリートロードはやめた方がいいと思うよ

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★ さて、どうしてでしょう?

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★ ああ…、これあんたのか。ほらよ、月島雫

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概要

 足掛け13年にわたる『風の谷のナウシカ』の連載を終え、別の長編アニメーションの構想をしていた宮崎駿だったが、それとは別に、新しいスタッフおよび挑戦に挑むために、本作の企画をスタートさせた。

宮崎は毎夏の休暇に義父が建てた山小屋に通っており、そこに彼の姪たちが残した少女マンガ雑誌を読むのが習慣であった。1989年の夏、雑誌がボロボロになったため、宮崎が農協のスーパーで新しいものを買ったところ、2度目に購入した『りぼん』に、原作の連載2回目が掲載されており、これに興味を持ったのが制作のきっかけとなった。一方、『耳をすませば』文庫版に掲載されているプロデューサーの鈴木敏夫の解説によれば、山小屋とは宮崎の義父のアトリエであり、雑誌は宮崎の姪らが昔に読んだものだったという。休暇をともにした鈴木や押井守、庵野秀明らと一緒に作品の一部から、全体がどんな話なのかを膨らませていったといい、その後宮崎が原作を全編通して読んだとき「ストーリーが違う」と怒ったという。

本作での宮崎の役割は、物語構想および脚本と絵コンテ、スタッフのスケジュール管理で、監督には自身と高畑勲監督の元キャラクターデザイン・作画監督を務め、両監督を支えてきた近藤喜文が宮崎の推薦により就任した。近藤は本作について、思春期の年頃の子供を主人公に、「トトロのいないトトロ」みたいなものを作りたいと前々から思っていて、大人の縮図のような彼らの肩から、何とか荷をおろさせて楽にしてやれたらなと思い、その意味で本アニメ映画を作れるのは本当に幸せですね、と述べている。近藤は発表後の1998年に死去したため、結果的に本作が唯一の長編映画監督作となった。

宮崎は本作のもう1つの原作として、映画の主題歌に『カントリー・ロード』の使用を決定。これに合わせて原作では聖司が打ち込んでいるのは絵画だったのを、ヴァイオリン製作に変更。さらに作中にはいくつかの古楽器、ヴィオラ・ダ・ガンバ、リコーダー、コルネット(ツィンク)、リュートなどが登場する。作中の「牢獄でヴァイオリンを作る職人」の挿絵は、宮崎の次男である宮崎敬介の作品である。さらにヒロイン・雫が描く「バロンのくれた物語」を構想し、背景画にイラストレーターの井上直久を起用して、新たな映像作りに成功する。これにより当初90分だった時間が110分以上の長編となった。

もう1つの特徴は、デジタル技術の使用で、宮崎は最初はこれに反対だったが、鈴木が彼にパソコンに興味を待たせて使用を決定させた。本作での使用は3つあり、1つめは色指定をコンピューターで行ったこと、2つめはデジタル合成で、前作『平成狸合戦ぽんぽこ』に参加した日本テレビの菅野嘉則の協力の下、「バロンのくれた物語」に今までと違う撮影形式が行うことが出来た。3つめはドルビーデジタルの使用で、邦画における使用は『ゴジラVSメカゴジラ』に続き2作目である。1994年10月にアメリカ・ドルビー・ラボラトリーの副社長がジブリを訪ね、宮崎に「日本のスピルバーグといったらあなたでしょう。あなたが音をよくしようと思わなければ、日本の映画の音は一向によくならない。」と言われ、宮崎は「よし、じゃあ今回はぜひ、そのドルビーデジタルを使ってみよう。それだけじゃなく音作りの面にたっぷり時間をかけて、今までにない、いい音を作っていこう。」と答え、東宝サウンドスタジオの西尾昇を加え、専用の作業場「スタジオ/ムーン」を開設して、日本のアニメーションで初のドルビーデジタルが採用され、ジブリの新たな出発点となる映画となった。ただし、当時ドルビーデジタルに対応した映画館はごく少数しかなかった。

原作者の柊あおいは、以前から宮崎のファンであったが、彼が本作品の映画化を希望しているという話を担当からの電話で聞いた際、それが信じられず、思わず「冗談でしょ」と返事をしたという。
あらすじ

月島雫は読書が好きな中学3年。ある日、父の勤める図書館で自分が借りた本の読書カードにいずれも「天沢聖司」という名前があることに気がついたことから、自分の中で存在感が膨らんでいき、どんな人なのか思いを馳せる。夏休み、雫は親友の夕子から相談を受けて学校にやって来たついでに、宿直の高坂先生に頼み込んで図書室を開けてもらいある本を借りるが、その本を寄付したのも「天沢」という名前の人物だった。雫は寄贈者について尋ねてみるが、高坂先生は知らないと答えたうえに、待ちぼうけにされて怒った夕子がやって来たためうやむやになってしまった。その後2人は校庭のベンチに移動すると、雫は依頼されていた「カントリーロード」を和訳した歌詞を渡すが、ありきたり過ぎると納得がいかない。さらに遊び半分で作った「コンクリートロード」という替え歌風の歌詞も見せ笑い合う。そんな夕子の「相談」とは、他のクラスの男子からラブレターをもらったがどうしたらいいのかわからないという内容だった。雫がなぜ返事に詰まっているのか聞いてみると、夕子は雫の男友達でもある野球部の杉村が好きだと告げる。その後、雫と夕子は2人で帰ろうとするが、本を忘れたことに気づいた雫がベンチに引き返すと、見知らぬ男子生徒が雫の本を読んでいた。彼はなぜか雫の名前を知っており、さらに「コンクリートロードはやめたほうがいいと思うよ」と、歌詞を揶揄する言葉を残して去っていく。怒った雫は「やな奴!」と連呼しながら家に帰るとコンクリートロードの歌詞を丸めて捨てる。

またある日、雫はいつものように図書館へと向かう途中、電車の中で不思議な太った猫を見つけ、追いかけているうちにロータリーの前にある小さな古道具屋「地球屋」に辿り着く。雫は店内で猫の男爵の人形「バロン」や古いからくり時計など、さまざまな品物を店主の老人・西司朗に紹介してもらい喜ぶが、12時の時計の音でついでに父親へ弁当を届けるように頼まれていたことを思い出し、慌てて図書館へと戻る。その後、雫が忘れた弁当を届けにやってきたのはまたしてもあの男子生徒で、今度は弁当箱の大きさを揶揄されてふてくされる。

新学期が始まり、雫は昼休みに職員室で年配の先生から本を寄付した「天沢」について聞いてみると、昔学校のPTA会長をしていたこと、彼の孫が学校の同じ学年にいることを知り、思わず職員室を飛び出してしまう。そのことを夕子たちにからかわれるなか、新しく和訳した「カントリーロード」を見せると高評価を受け喜ばれる。そして皆がコーラス部の後輩たちに歌詞を見せに行くのを図書館に行くからと断り、途中で気が変わって「地球屋」に向かうと、店は閉まっていて男爵の人形もなくなっており、雫は売られてしまったのだと思いがっかりして帰っていく。

その夜、雫のもとに夕子から突然電話がかかってくる。夕子は杉村が、ラブレターを夕子に渡した男子から返事を聞いてくれと頼まれたと言われてショックを受けたことと、泣きはらした顔では学校に行けないから明日は休むと告げる。翌日、夕子が学校を休んだことを訝しんだ杉村は、放課後雫を呼び止めて神社で何があったのか尋ねる。自分は野球部の友達から頼まれただけだと言う杉村のあまりの鈍さに雫は腹を立て、つい夕子は杉村のことが好きなのだと言ってしまう。すると杉村は、自分はずっと雫が好きだったと告白する。動揺した雫は急にそんなことを言われても困ると言って逃げようとするが、はっきり返事が聞きたいという杉村の問いかけに、自分は杉村のことをずっと「友達」としか見たことなかったし、それはこの先も変わらないとだけ告げて自宅に帰り、自分の鈍感さに自己嫌悪に陥ってしまう。

雫はそのまま思いつめたように「地球屋」に向かうが、相変わらず店は閉まっている。店の前で途方に暮れたままあのときの太った猫に話しかけていると、あの男子生徒がやって来る。彼は猫をムーンと呼んでいると話し、雫を店の中に案内した。この店の持ち主は自分の祖父で、店は開いている方が少ないことと、元々は古美術品の修理を請け負っており地下ではヴァイオリン制作の教室を開いていること、そしてあの「バロン」の人形が祖父の宝物であることを教えられる。日が沈むまでバロンを眺めていた雫が地下に降りると、彼は工房でヴァイオリンを作っていた。その様子とできあがったヴァイオリンを見ていた雫が演奏を頼むと、彼から弾く代わりに歌うように言われ、知っている曲を弾いてやるからと弾き始めた「カントリーロード」の演奏に乗せられて、恥ずかしがりながらも自分が和訳した歌詞で歌う。そこへ西老人とその仲間が帰ってきて小さな合奏が始まる。そこで彼の名字が西だと思い込んでいた雫は、彼があの「天沢聖司」だと知る。そのことで軽く言い争いになる2人だったが和解し、雫の家の近くまで見送る途中聖司はヴァイオリン職人になるためにイタリアのクレモーナへ留学したいという夢を雫に語る。

その翌日、聖司は学校で「2か月間西老人の知り合いの工房で見習いをする」という条件でイタリア留学の許しを親に得たと雫に話す。同時に前々から図書カードで雫のことを知っていたと言う。確固たる夢に向かって進んでいく聖司と目標のない自分を比べて劣等感を覚える雫だったが、夕子に相談して自分も実力を確かめるためにずっと前からやりたかった「物語」を書こうと決心する。そして、人形のバロンを主人公にした物語を書きたいので許可を得たいと言う雫に、西老人は物語ができあがったら最初に読ませて欲しいという条件で許可する。その後、図書館で調べ物をしながら執筆を始める雫に会いにきた聖司は、「明日行く」と告げる。そして、雫に見送られた翌日、聖司はイタリアに旅立つ。

しかし、雫は物語の執筆に没頭したせいで中間試験の成績を落とし、姉に説教され、母親からもなにも「受験」という大事なときに勉強を後回しにしてまでやることではないのではと咎められる。そんな中、雫が図書館で没頭している姿を見ていた父親だけは「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにもできないからね。」と念を押したうえで、雫のやりたいようにやらせようと後押しし、姉も雫に激励の言葉をかけた。やがて物語を書き終えた雫は、最初に読ませて欲しいという約束通り西老人に渡して読んでもらう。それは到底納得のいかない、まとまりのまったくない作品で、雫自身もそれを認めていた。泣き崩れた雫を見てすべてを察した西老人は、くじけそうになるなか作品を書き終えたことを讃え、バロンにまつわる物語を話す。それは偶然にも雫が書いた物語と酷似していた。

翌朝、雫がアパートの窓を開けて何気なく下を見ると、1日早く帰国した聖司が手を振っていた。雫は見せたいものがあると言う聖司の漕ぐ自転車の後ろに乗って街を見渡せる高台に行き、2人で夜明けを眺める。聖司は西老人から雫の物語の話を聞いて何も知らなかったことを謝るが、雫は自分の才能に挑戦して良かったことと、先へ進むためにまずは高校へ進学し、勉強に励むことを目標にすると決める。それを聞いた聖司は、自分が一人前のヴァイオリン職人になったら結婚してくれないかと言い、雫は小さく頷いて「嬉しい、そうなれたらいいと思ってた」と答える。そして、聖司は「大好きだ!」と言って雫を抱きしめるのであった。


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