第四章 四諦品


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  • 概要: 華厳経第二 善光法堂会第四章 四諦品 四諦したいというのは、四つの真理という意味で、第一は苦諦くたい、この世はすべて苦であるという

    華厳経

    第二 善光法堂会

    第四章 四諦品



     たいというのは、四つの真理という意味で、第一は苦諦くたい、この世はすべて苦であるという真理、第二は集諦じったい、苦の原因は煩悩であるという真理、第三は滅諦めったい、煩悩のなくなったところが涅槃であるという真理、第四は道諦どうたい、涅槃にいたるために八つのただしい道があるという真理。四諦は、原始仏教で説かれ、また、小乗の教えであるといわれているが、本経では、これに無数の名前のあることをしめし、広大無辺な大乗の立場に立っている。

     文殊菩薩は、つぎのように説いている。
    「仏子よ、この娑婆世界では、苦諦のことを、害、罪、逼迫ひっぱく注1、変異注2童蒙行どうもうぎょう注3、などといい、集諦のことを、火、繋縛げばく注4、愛著、妄念、テン(=眞+頁)倒根どうこん注5、などといい、滅諦のことを、無障礙むしょうげ注6離垢浄りくじょう、寂静、不死、真実、自然住じねんじゅう、などといい、道諦のことを、一乗趣、寂静、引導、平等、仙人行、などという。
     仏子よ、この娑婆世界のなかで、四諦の名前は、じつに無数無辺である。そのゆえは、衆生の心と行いに応じて教みちびくために、このような無数の名前がつけられているのにほかならない。
     仏子よ、この娑婆世界とおなじように、その東方にある密訓世界においても、苦諦を、不出離ふしゅつり注7、繋縛本、極苦、一切不実、第一害、などといい、集諦を、染著ぜんじゃく注8、流転、愛著、病源、などといい、滅諦を、正義しょうぎ、出離、讃嘆、安穏、一道、究竟、などといい、道諦を、超出、離辺、覚悟、摂取、などという。
     仏子よ、あの密訓世界のなかでも、四諦の名前は、無数無辺である。これもまた、衆生の心とおこないに応じて教えみちびくために、無数の名前を説いているのである。
     仏子よ、おなじように、この娑婆世界の南方、西方、北方、東北方、東南方、西南方、西北方、下方、上方の、それぞれの世界においてもまた、無数の四諦の名前が説かれている。
     仏子よ、さらにまた、この娑婆世界および十方の世界とおなじように、東方の百選億の、数かぎりのない世界においても、四諦の名が説かれており、南西北方、四維、上下、ことごとく同様である。これらはすべて、衆生の心とおこないに応じて教えみちびくために、このような無数の名を説いているのにほかならない。」


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