最終回 「般若心経が目指す生き方」


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    最終回 「般若心経が目指す生き方」

    人間には欲がある。

    欲はときに人を育てる。

    その反面で、欲は執着を生み出す。

    悲しいかな

    後者の欲はよく働き、我々凡夫が苦しむ原因となる。

    お釈迦様には、そのことがよーくわかっていらっしゃった!

    だから、我々人間に欲望を調整することをお示しになりました。

    お釈迦様のみ教えは「安楽のみ教え」です!!

    そして、その一つが「般若心経」なのです!!!


    観音様は厳しい修行に励んだ結果、この世の全ての存在が実体なきものであることをお悟りになりました。

    「実体がない」というのは、「この世の全ての存在は変化するはかないものである」ということです。変化して常住不変のものはないというのが、「諸行無常」というこの世の道理です。

    しかし、我々凡夫は人間の力では如何し難い「諸行無常」という道理を頭ではわかっていても、なかなか認めることができません。最愛の人が亡くなれば、悲しみます。無理だとわかっていても、もう一度逢いたくなるものです。そんな不可能な願いを叶えようとするから苦しんでしまうのが我々凡夫なのでしょう。

    この「諸行無常」という道理を多面的に見ることができたらいいと思います。たとえば、変化するということは、可能性がたくさんあるということと捉えることができます。すなわち、人間はどんな形にでも変化できます。描いた夢も切実な願いも、自分の努力次第で必ず叶えることができるということです。いろんな見方があって、いろんな人がいるから、救われることができるのです。

    「悪い部分」ばかりにとらわれず、「いい部分」にも目を向け、多面的にものごとを見る視野を育てたいものです。そうやって、我々凡夫は「到彼岸」、悟りの世界に到達できるのです。「到彼岸」したとき、ハッとします。この此岸こそ彼岸だったと―それが「彼岸到」なのです。

    それは特別な人だけができることではありません。皆できることなのです。ただ、それは簡単なことではありません。難しいことではありますが、「彼岸を目指していけば、必ず救われる」とお釈迦様は、般若心経を通じて、我々にお示しになっているのです。
           


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